福岡の主要メーカー系IT企業

 IT業界の企業でソフトウェア、システム開発を主業務とする企業は
資本、株主で見ると、3つに分類できます。

メーカー系、ユーザー系、独立系です。

福岡に本社があるメーカー系ソフトウェア業界企業

 官公庁がシステム投資をする時には、発注先は信用力、実績のある大手企業のみしか候補にはなりません。
超大手企業が元請けとなり、その傘下の企業がピラミッド型の組織を形成し、業務指揮管理系統がつくられます。

そのため、大手電機メーカー資本のソフトウェア開発企業は東京に本社を置き、
いくつかの地方都市にも拠点を置いて、東京の業務を地方に分散させて、
地方都市のローカル企業をもピラミッドの一部として組織します。

つまり、大きな案件のほとんどは大手メーカー系がトップとなる形で受託開発することになります。

 大手メーカー系は福岡などの地方都市に、最初は支店や支社などのブランチを出し
より地域密着した営業活動をするためにブランチを現地法人として分社独立させる、
という傾向にありました。

 景気が良い時代のソフトウェア業界企業の成長過程です。

 ところが景気が悪くなると、地方都市で分社独立したメーカー系地方都市ソフトウェア業界企業は
リストラをしないといけなくなります。

 もちろん仕事がないのだから、地方のローカル企業の協力会社に発注することをやめればいいわけですが、それだけでは済みません。

ソフトウェア業界企業の支出のほとんどは人件費なので、生き残るためには人員削減しかありません。
 社会的に影響が少ない、中小企業は、体力的にも余裕がないこともありますが、
大きなニュースにならない、避難されにくいのですぐに人員削減します。

しかし、大手メーカー系は規模が大きく世間体もあり、人員削減を大々的にはできません。

そこで、親会社と各地方都市に分社したローカル企業グループ全体で経営統合、組織再編が行われます。

富士通、NEC、パナソニック、日立と福岡に拠点を置いていたメーカー系ソフトウェア業界企業は
すべて経営再編が行われました。

富士通は九州内での拠点を更に独立させていたのを統合しました。
さらに、子会社をつくって人員を徐々にシフトさせ人件費を抑えた経営体質にしようとしています。
NECは全国のグループ企業が経営統合され、福岡本社企業はなくなりました。
日立は九州と中国地方のローカル企業が統合され福岡に本社を置くことになったので、存続しました。
 
組織再編が行われ、現在福岡に本社を置くメーカー系ソフトウェア業界企業は以下の通りです。

会社名従業員数売上株主
富士通九州システムズ1,490人426.0億円富士通
日立ソリューションズ西日本 九州本社1,087人247.0億円日立
富士通九州システムサービス890人177.0億円富士通
富士通九州ネットワークテクノロジーズ860人160.8億円富士通
九州日立システムズ472人87.6億円日立
BCC341人53.0億円日本電気
富士通エフ・アイ・ピー九州156人23.0億円富士通
パナソニックESシステムソフトウェア74人18.0億円パナソニック

NECグループの福岡本社企業はなくなり
富士通グループは存続できました。

その理由は両社の経営方針の違いです。

富士通はかつて
富士通九州システムエンジニアリング(福岡本社)
富士通大分ソフトウェアラボラトリ(大分本社)
富士通南九州システムエンジニアリング(熊本本社)
と九州内に3社のシステムエンジニアリング会社がありました。
大分と熊本の会社は福岡の会社の子会社です。

そして有力な協力会社も組織していました。
富士通の仕事が100%、あるいは半分以上という地場独立系企業です。

NECは関連子会社はないものの富士通同様、協力会社の組織はありました。

大きな違いは、営業方針、どこの仕事を請けるかという方針です。
富士通グループは
富士通本体の営業マンが多数して、他にもローカルのパートナー企業の営業マン
そして富士通九州システムエンジニアリングの営業マンも多数いて
協業、競争して地場企業に営業をかけてきました。

富士通グループは東京の官公庁や大手企業から受託した案件の下請け仕事に頼るのではなく
九州で自社の営業マンを多数動かし、自ら受注活動を行ってきました。

東京本社、グループ企業からの下請けがほとんどで、一心同体であったNECソフトウェア九州は
九州は開発の拠点、東京の下請け仕事の発注先という位置づけなので営業活動はあまり積極的にはしていませんでした。

そしてキャリア開発の方針も違っていました。

富士通グループは
顧客と直接契約する案件が多いため、システムエンジニアは顧客への営業活動に同行し
受注活動、プリセールスをします。
案件が大きくはなくとも提案活動から、元請けとしてプロジェクトのマネジメント
そして若手の時期は自らも開発します。

富士通グループのシステムエンジニアは
利益を得ることを目的として仕事ができます。
若いうちにしっかりと開発力と身につけ、マネジメント力を身につけ
どうやって利益を出して経営をしていくかという感覚を身につけています。

NECグループは
東京から回ってくる仕事をどうやってマネジメントするか、という仕事なので
うまくマネジメントしてコストをできる限り抑える、ということは考えながらも
顧客との接点が少ないので、
エンジニアとしての実力、ビジネスマンとして利益を追求する姿勢は富士通よりも劣っていました。

日立もNECに近い方針でした。

富士通は社員が成長し優秀なので
転職を考える優秀な人材は、富士通の方がより力を発揮できる、より成長できると判断できます。

この業界は人がすべてなので
優秀な人材がいれば仕事も取れます、他社に勝てます。

経営陣が富士通は自社採用で出世した人が社長をはじめ幹部になっている人が多い一方
NECはほとんど天下りなので、社員の出生意欲も大きく違っています。

大手メーカーの子会社で大企業なのだから
メーカー系に入社できれば将来は安泰、というわけではありません。
大手グループ企業だからこそ、組織再編で、知らない土地に転勤を命じられるか、退職するか、という選択を迫られる、ということにもなるのです。

次は福岡の地場大手企業の子会社として設立されたユーザー系ソフトウェア業界企業をみてみましょう。

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